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【夏の警備対策】熱中症予防と暑さ対策|警備員の健康管理術

夏の猛暑が続く静岡県では、屋外での警備業務に従事する警備員にとって熱中症対策が生命に関わる重要課題となっています。グランレックス株式会社では、掛川市を拠点に浜松市や静岡市などの東海地域で鉄道施設警備(1号業務)や交通誘導警備(2号業務)を行っており、夏季の警備業務における従業員の安全確保を最優先に取り組んでいます。2025年6月からは労働安全衛生規則の改正により、事業者に対する熱中症対策が義務化されるなど、職場での熱中症予防はますます重要になっています。本記事では、警備員が夏の暑さから身を守り、安全に業務を遂行するための実践的な対策をご紹介します。
 

熱中症の基礎知識と警備員のリスク


熱中症は高温多湿な環境下で体温調節機能が破綻し、体内に熱がこもった状態を指します。警備員は長時間の屋外勤務、制服による熱のこもり、持ち場からの移動制限など、他の職業よりも熱中症のリスクが高い環境で業務を行っています。
 

熱中症の症状段階と対応

 
熱中症の症状は段階的に進行し、初期対応の遅れが重篤化につながります。厚生労働省の統計によると、2020年から2023年に発生した103件の熱中症による死亡災害のうち、100件は初期症状の放置や対応の遅れが原因とされています。
 

軽度(I度)

主な症状:めまい、立ちくらみ、筋肉痛、汗が止まらない

対応:涼しい場所で休憩、水分・塩分補給

注意点:「大丈夫」と自己判断せず、必ず休憩を取る

中度(II度)

主な症状:頭痛、吐き気、倦怠感、意識低下

対応:医療機関での治療が必要

注意点:この段階で放置すると重篤化のリスク大

重度(III度)

主な症状:高体温、意識障害、けいれん

対応:緊急入院・集中治療

注意点:生命に関わる危険な状態

「参照:厚生労働省熱中症予防情報」
 

警備員特有のリスク要因

 
警備員が熱中症になりやすい要因として、持ち場からの移動制限により日陰を求めることができない点が挙げられます。交通誘導警備では道路上での立哨が基本となり、施設警備でも入口付近など指定された位置での勤務が求められます。また、制服の帽子や手袋、長袖シャツなどにより体に熱がこもりやすく、「休め」の姿勢維持により手で扇ぐこともできない状況があります。
 

2025年6月施行
労働安全衛生規則の改正により、事業者には熱中症患者の報告体制整備、悪化防止措置の準備、作業従事者への周知が義務付けられました。WBGT基準値を超える環境では、より厳格な対策が求められています。

 

 

WBGT(暑さ指数)を活用した危険度判定

 
WBGT(湿球黒球温度)は、気温・湿度・日射・輻射を総合的に評価した熱中症予防のための指標です。環境省が提供する暑さ指数情報を活用することで、警備員は客観的な危険度判定に基づいた対策を講じることができます。
 

WBGT基準値と警備業務への影響

 
WBGTが28℃以上(厳重警戒)になると熱中症患者が著しく増加し、警備業務においても特別な注意が必要です。静岡県では夏季にWBGT 31℃以上の危険レベルに達する日も多く、掛川市や浜松市などの内陸部では特に注意が必要です。
 

WBGT 21-25℃(注意)

警備業務:通常業務可能

対策:定期的な水分補給

静岡県での時期:5月下旬-6月上旬

WBGT 25-28℃(警戒)

警備業務:積極的な休憩が必要

対策:30分ごとの水分・塩分補給

静岡県での時期:6月中旬-9月中旬

WBGT 28-31℃(厳重警戒)

警備業務:熱中症の危険性大

対策:こまめな休憩・体調監視強化

静岡県での時期:7月-8月のピーク時

WBGT 31℃以上(危険)

警備業務:原則中止・特別対策必須

対策:15分ごとの休憩・体調確認

静岡県での時期:猛暑日・熱波襲来時

「参照:環境省暑さ指数について」
 

地域別WBGT情報の活用方法

 
環境省の熱中症予防情報サイトでは、静岡県内の複数地点でWBGT実況値と予測値を提供しています。警備員は出勤前に当日のWBGT予測を確認し、必要な対策グッズや水分量を準備することが重要です。また、熱中症警戒アラートが発表された際は、通常以上の警戒が必要となります。
 

効果的な水分・塩分補給戦略

 
警備員の熱中症対策において最も重要なのが適切な水分・塩分補給です。単なる水分摂取だけでは「自発的脱水」を引き起こし、かえって熱中症のリスクを高める可能性があるため、科学的根拠に基づいた補給戦略が必要です。
 

適切な水分補給のタイミングと量

 
警備員は1時間ごとに最低200-300mlの水分補給を行う必要があります。「喉が渇いてから飲むのでは遅い」とされており、定期的な補給が基本となります。特に交通誘導警備では30分ごと、施設警備でも1時間ごとの水分補給が推奨されています。
 

重要ポイント
水分だけの補給は体内の塩分・ミネラル濃度を低下させ、かえって熱中症を引き起こす場合があります。30分を超える屋外作業では、必ず塩分も同時に補給することが重要です。

 

効果的な補給ドリンクと食品

 
熱中症予防には、水分と塩分を適切な割合で含む飲料が効果的です。自作の場合は1Lの水に1-2gの食塩を加えた食塩水が基本となります。市販のスポーツドリンクも有効ですが、糖分の過剰摂取に注意が必要です。
 

推奨飲料

経口補水液:最も効果的、医療レベルの電解質バランス

スポーツドリンク:手軽で入手しやすい、糖分に注意

自作食塩水:1L水+1-2g食塩、コスト効果大

塩分補給食品

塩タブレット:個包装で携帯便利、溶けない

梅干し:塩分+クエン酸、疲労回復効果

塩昆布:ミネラル豊富、携帯しやすい

避けるべき飲料

カフェイン系:コーヒー、緑茶は利尿作用で脱水促進

アルコール類:脱水作用があり危険

冷たすぎる飲料:胃腸に負担、吸収阻害

「参照:熱中症ゼロへ水分塩分補給」
 

体温調節と冷却対策

 
効果的な体温調節は、水分・塩分補給と並んで熱中症予防の重要な柱です。警備員の制服制限がある中でも実施できる冷却方法を組み合わせることで、危険な体温上昇を防ぐことができます。
 

身体部位別冷却効果

 
人体には効率的に体温を下げられる「冷却ポイント」があります。首、脇の下、手首、足首などの太い血管が皮膚に近い部位を冷却することで、全身の血液温度を効率的に下げることができます。警備員の勤務中でも実施しやすい冷却方法を選択することが重要です。
 

勤務中使用可能

ネッククーラー:首部の冷却、制服内に装着可能

冷感タオル:休憩時の首・顔拭き

冷感スプレー:制服の上からでも使用可能

休憩時専用

冷水での手首冷却:5分間で効果的体温低下

氷嚢での脇の下冷却:短時間で強力な冷却効果

足の冷水浸し:下半身からの効率的冷却

空調服・冷却ベスト

ファン付き空調服:気化熱による体温調節

冷却ベスト:保冷剤内蔵、長時間効果

水冷式クールベスト:水の蒸発で持続冷却

「参照:警備員の夏暑さ対策」
 

静岡県の気候特性に応じた対策

 
静岡県は太平洋側気候で高温多湿となりやすく、特に掛川市や浜松市などの内陸部では35℃を超える猛暑日が頻発します。海岸部でも湿度が高く、体感温度はさらに上昇します。東名高速道路や新東名高速道路沿いでの交通誘導警備では、アスファルトからの輻射熱により一層過酷な環境となります。

現場での実践的緩和策と工夫

 
警備現場では、業務の性質や安全確保の制約がある中でも、熱中症対策として様々な緩和策が実施されています。列車見張業務と交通誘導業務では、それぞれの特性に応じた対策が可能です。
 

列車見張業務での対策

 
列車見張業務では、列車の確認ができる範囲内であれば、日陰での業務が許可されています。これは業務の安全性を損なわない範囲で警備員の健康を守る重要な配慮です。また、椅子の使用により体力の消耗を抑制し、長時間の警備業務でも体調を維持できるよう工夫されています。
 

椅子使用による効果

体力維持:立ちっぱなしによる疲労軽減

血流改善:下肢の血液循環促進

集中力維持:体力温存により警戒能力持続

熱中症予防:体力消耗抑制で発症リスク低下

日陰確保の重要性

直射日光回避:体感温度5-10℃低下効果

輻射熱軽減:地面からの照り返し防止

視認性確保:列車確認可能範囲での配置

安全性両立:業務品質を損なわない工夫

パラソル活用

人工日陰作成:自然の日陰がない場合の対策

紫外線カット:日焼けによる体力消耗防止

可搬性:業務場所の変更に柔軟対応

視界確保:列車監視業務との両立

 

交通誘導業務での現実的対応

 
交通誘導業務は道路上での実施が基本となるため、日陰に入ることで業務に支障をきたす場合があります。しかし、通行止めなどの現場では椅子やパラソルの使用が可能となり、警備員の体調管理に配慮した対策が講じられています。
 

現場の実情
片側交互通行での規制は、車両や歩行者の安全確保のため決められた位置での警備が必要となり、日陰の確保や椅子の使用が困難な場合があります。このような厳しい条件下では、より積極的な水分補給と体調監視が重要になります。

 

通行止め現場での対策

椅子使用:場所によっては椅子の使用が可能

パラソル活用:現場条件に応じてパラソル使用可能

体調管理:比較的対策を講じやすい環境

片側交互通行の現実

制約の多い環境:道路上のため日陰確保が困難

業務優先:安全確保のため決められた位置での警備

厳しい条件:正直大変な作業環境

現場での工夫例

椅子活用:業務に支障のない範囲での使用

日陰確保:列車確認可能な場所での日陰業務

パラソル設置:場所によってはパラソル使用も可能

 

現場条件に応じた柔軟な対応

 
静岡県内の警備現場では、東名高速道路や新東名高速道路での工事、掛川市内の鉄道関連工事、浜松市の工業地帯での施設警備など、多様な環境条件があります。各現場の特性を理解し、安全性と健康管理を両立させる対応が求められています。
 
特に鉄道関連の警備では、列車の安全運行を最優先としながらも、可能な範囲で警備員の健康管理にも配慮した対策が講じられています。現場の制約がある中でも、業務の安全性を損なわない範囲での熱中症対策が継続的に検討・実施されています。
 

日常的な体調管理と予防策

 
熱中症予防は勤務時間中の対策だけでは不十分です。日常的な体調管理により「熱中症になりにくい身体」を作ることが、夏季の警備業務を安全に遂行するための基盤となります。
 

栄養管理と食事対策

 
夏季は食欲低下により栄養バランスが崩れやすく、これが熱中症のリスクを高めます。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換する際に必要で、不足すると疲労蓄積や体力低下につながります。豚肉、うなぎ、ピーナッツなどから積極的に摂取し、玉ねぎやニラに含まれるアリシンと組み合わせることで吸収効率が向上します。
 

夏バテ予防食材
豚肉(ビタミンB1豊富)、梅干し(塩分・クエン酸)、スイカ(水分・カリウム)、トマト(リコピン・水分)などを意識的に摂取し、そうめんやアイスクリームなど糖質偏重の食事を避けることが重要です。

 

睡眠環境の最適化

 
質の良い睡眠は熱中症予防の基盤です。睡眠不足は体温調節機能を低下させ、熱中症のリスクを高めます。夏季の睡眠環境では、エアコンの適度な使用(26-28℃設定)、通気性の良い寝具の使用、就寝前の水分補給(500ml程度)などが重要です。熱帯夜が続く静岡県では、特に睡眠の質に注意を払う必要があります。
 

睡眠環境対策

室温:26-28℃、湿度50-60%

寝具:吸湿・速乾性素材選択

就寝前:ぬるめのシャワーで体温調節

生活習慣管理

飲酒制限:脱水促進のため控えめに

規則正しい生活:体内時計の正常化

適度な運動:暑熱順化促進

暑熱順化対策

段階的暑さ慣れ:5月から徐々に屋外時間延長

汗腺機能向上:入浴・軽運動で発汗促進

体力維持:持久力向上で熱疲労予防

「参照:熱中症予防と対策ポイント」
 

緊急時対応と職場体制

 
熱中症は急激に症状が悪化する可能性があるため、初期症状の早期発見と適切な応急処置、医療機関との連携が生命を左右します。警備現場では同僚との相互監視体制と迅速な連絡体制の構築が不可欠です。
 

応急処置の基本手順

 
熱中症が疑われる症状を発見した場合、まず安全な場所への移動、衣服の緩め、体温の低下措置を行います。意識がはっきりしている場合は経口補水液による水分・塩分補給を実施し、意識が曖昧な場合は誤嚥の危険があるため水分摂取は避けて速やかに救急車を要請します。
 

軽度症状への対応

環境改善:日陰・冷房の効いた場所へ移動

冷却開始:首・脇・手首を重点的に冷却

水分補給:経口補水液を少量ずつ摂取

経過観察:15分間体調変化を監視

中等度以上の症状

救急要請:119番通報を躊躇せず実施

積極的冷却:大量の水をかけて気化熱で冷却

体位管理:足を高くして血流確保

継続監視:救急車到着まで状態確認

重篤症状への対応

即座に救急車:一刻の猶予もなく要請

全身冷却:氷嚢・冷水で体幹部冷却

気道確保:嘔吐に備えた体位管理

継続報告:救急隊に詳細状況報告

「参照:職場熱中症対策義務化」
 

職場の連携体制構築

 
警備現場では「一人では判断しない」「我慢しない」「早めの報告」を徹底することが重要です。2025年6月からの労働安全衛生規則改正により、事業者には熱中症患者の報告体制整備が義務付けられており、現場責任者への連絡ルートを明確化し、代替要員の確保体制を整備する必要があります。
 

緊急連絡体制
現場での体調異変発見時は、まず安全確保を最優先とし、現場責任者→警備会社本部→医療機関の順で連絡を取ります。GPS機能を活用した位置情報共有により、救急車の迅速な到着を支援することも重要です。

 

 

まとめ:安全で健康的な夏季警備業務の実現

 
夏季の警備業務における熱中症対策は、単なる個人の健康管理を超えて、社会インフラを支える警備員の安全確保という重要な意味を持ちています。静岡県の高温多湿な気候条件下で安全に業務を遂行するためには、科学的根拠に基づいた系統的な対策が不可欠です。
 
WBGT(暑さ指数)を活用した客観的危険度判定、適切な水分・塩分補給戦略、効果的な体温調節技術、日常的な体調管理、そして緊急時対応体制の整備により、熱中症リスクを大幅に軽減することが可能です。特に2025年6月から施行される労働安全衛生規則の改正により、事業者の熱中症対策義務が強化される中、警備業界全体での取り組み向上が期待されています。
 
掛川市、浜松市、静岡市などの東海地域で警備業務に従事する際は、地域の気候特性を理解し、個人レベルでの対策と職場全体での連携体制を両立させることが重要です。「自分は大丈夫」という過信を捨て、客観的指標に基づいた予防的対策を継続することで、猛暑の夏も安全で健康的に業務を遂行することができます。
 
警備員一人ひとりが適切な熱中症対策を実践することは、自身の健康を守るだけでなく、地域社会の安全を支える警備サービスの質と継続性を保つ社会的責任でもあります。科学的知識と実践的対策を組み合わせた総合的なアプローチにより、夏季警備業務の安全性向上を実現していきましょう。

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